一昨日の12月定例会一般質問でクマの出没について臥雲市長に質問をしました。
全国的にクマ被害が多発し、連日のように報道されています。近隣の大町市では、今年6月に40代男性がクマに襲われ、尊い命が失われました。松本市でも、住宅地や学校での出没や、目撃が相次いでおり、市民の皆様は日々の通勤・通学、日常生活の中で不安を抱えています。
また、今年9月の改正鳥獣保護管理法の施行で、住民の日常生活圏に侵入したクマなどに対しては、緊急性が高く、銃猟以外の方法では、的確かつ迅速な捕獲が難しい場合には、市町村長が発砲を判断する「緊急銃猟」が可能となっています。市町村の責任が増す中で、臥雲市長がどういう準備をし、市長としての責任と権限を果たそうと思っているか、市長の心構えを確認しました。
そして、私からは、テクノロジーの活用等について提言しました。
具体的には、例えば、学習放銃するクマにGPSを装着して、クマの行動経路を把握する。ハンターがGPS端末を携行し、可視化することで、安全に連携しながらクマの追跡をする。また、出没の多い箇所にAIやサーマルカメラを設置し、活用することで個体の判別を明確にする。他にもドローンを活用し、映像と熱源の検知を組み合わせることで、クマが活発になる早朝や夜間でも安全に捜索等が可能になります。日常と非日常で使い分けを行い、平時はインフラ等の点検等、非常時は災害などでも使えます。
ぜひ科学的で再現性のあるデータに基づく管理をしてほしいと提案をしました。

◆今井ゆうすけ
誠の会の今井ゆうすけです。発言の機会をいただきました。
会派を代表し、同僚議員に続きまして、一部私見も交えながら、一問一答方式で質問をいたします。
今回は、松本市における危機管理行政、とりわけ深刻化するツキノワグマ等の出没について、犬飼信雄議員と共に質問いたします。
この件につきましては、昨日、村上議員からバトンを引き継ぎましたが、今回の一般質問では吉村議員、犬飼明美議員を含め5名が取り上げています。すでに活発な議論が交わされておりますので、その議論を踏まえつつ、視点を変えながら質問してまいります。
ご承知の通り、全国的にクマ被害が多発し、連日のように報道されています。近隣の大町市では、今年6月に40代男性がクマに襲われ、尊い命が失われました。
本市でも、住宅地や学校での出没や、目撃が相次いでおり、市民の皆様は日々の通勤・通学、日常生活の中で不安を抱えておられます。
一方でクマは、山の環境と深い関係をもつ生き物であり、愛着を持たれている方も多く、できる限り共存を図りたいと考えています。
しかし同時に、人的被害を絶対に防ぐため、本市として実効性ある危機管理体制が構築できているのか、その確認は不可欠です。
例えば奈川や安曇など、クマの生息域で出没の可能性が高い地域はありますが、市街地で特に危険なエリアはどこなのか。全国的な分析は報道されていますが、本市としてどのように状況を分析しているのか、多くの市民が知りたがっています。
そこで、まず本市の現状について伺います。
◆環境エネルギー部長
お答えします。ツギノワグマは山間部を生息地としているものの、その行動範囲が広いため、市街地への出没の可能性は否定はできませんが、松本市では市街地でのクマの確認例は少ないということから、危険なエリアとまで言えるような場所は存在しないと考えています。
そのほかいくつか件数、数字で申し上げます。
錯誤捕獲の件数ですが、令和4年度20件、令和5年度44件、令和6年度27件で、令和7年度は11月15日現在ですが18件となります。11月15日以降は狩猟期間に入りますため、錯誤捕獲には該当しないものとなります。
学習放銃の件数は、令和4年度13件、令和5年度4件、令和6年度2件で、令和7年度は13件となっています。
捕獲したクマの頭数ですが、市全体で令和4年度9頭、令和5年度16頭、令和6年度4頭、令和7年度は5頭になります。
このうち個体数調整として実施されたのは、令和4年度5頭、令和5年度9頭、令和6年度2頭でございますが、令和7年度は個体数調整ではなく、全国的なクマ被害の状況を踏まえ、県から許可を受け捕殺する有害捕獲として実施しております。
なお、市街地の狩猟が法的に認められていないため、市街地においての錯誤捕獲等はございません。
科学的な分析までは持ち合わせておりませんが、例年とほぼ同等程度の目撃件数や錯誤捕獲件数などの数字上を見る限りは、あくまで数字上ではございますがこの地域におけるクマの状況に著しい変化は出ていないのではないかと捉えております。
◆今井ゆうすけ
「科学的な分析はない」とご答弁をいただきました。この点は大きな論点であり、後ほど議論させていただきます。
昨日も、笹賀地区でクマの出没が確認され、市民からは大きな不安の声が寄せられています。12月7日・8日・9日と目撃情報があると報道されておりましたが、ついに爪痕を確認したということです。
近くにはスカイパークがあり、多くの市民が散歩やランニング等で利用しています。利用者や車でよく通る方に、私が直接聞いたところ、「クマを見たことがある」という方が複数おられました。しかし、通報はしていないと言います。通報に結びついていない「未把握の出没」があるとすれば、極めて大きな課題です。本当はクマがいるということであれば、クマ対策の装備なしで、危険な時間に利用している人も多いため、速やかに対応しなければなりません。
見間違いなど誤通報も多いため、正確性の判断は難しく、また過度に不安をあおらないための周知の方法も繊細さが求められます。加えて、塩尻市や山形村との境界でもあり、広域での連携強化は不可欠です。
スカイパークに限ったことではありませんが、危険が想定される場合には、市として迅速に安全確保策を講じていただきたいと思います。
次に、過去に発生した危険性の高い三つの事案の詳細について伺います。
具体的に三つの事案というのは、1つ目が開明小学校付近の事案、2つ目が神林地区の事案、そして3つ目が今年10月27日の梓川高校から山形村アイシティに至った事案についてでありますが、当時の状況と分析についてお伺いいたします。
◆環境エネルギー部長
お答えします。当時の資料を基に、またないものについては当時対応にあたった職員の記憶を交えてお答えをいたします。
はじめに、開明小学校の件でございます。こちら平成22年の事案となります。早朝、開明小学校のグランドをクマの成獣が走っていたとの目撃情報があり、警察と市職員が現地に急行をいたしました。複数の目撃情報の後、住宅の敷地内にクマが居座っているとの情報を得て警察と共にクマを一緒に確認しております。周辺住民に対し外出の自粛を要請し、周辺道路は通行止めにして侵入禁止としました。また、クマが興奮して逃げださないよう周辺の囲いも行っております。合わせて、マスコミの皆さんに対しても、音が大きくなるヘリによる取材の自粛を要請しました。最終的に、麻酔専門家に依頼し、当該住宅内において、吹矢にて麻酔を打ち捕獲に至っております。
次に、神林の事案でございます。令和4年の事案でございます。神林寺家付近で目撃情報があり、追跡を行って田んぼ内へ追い込みをいたしました。警察、県、猟友会と協議の上、移動の可能性がある。移動した場合に被害の危険性あると判断し、現地で警察の許可により捕殺いたしました。
最後に、先月27日に発生しました梓川高校から山形村アイシティへ移動した事案でございます。12時50分に梓川高校で目撃されたという連絡を受けた後、15時に梓川高校の南東側の住宅街、15時30分に下原交差点付近、15時47分に山形消防署付近で確認された後、山形村内の、アイシティで目撃情報があり、捕獲にいたりました。捕獲場所は山形村でございましたので、捕獲の情報等は、山形村からの共有をいただいております。
なお、いずれの事案についても出没ルートや原因は等は、その痕跡が色濃く残されておりませんことから、特定できておりません。
◆今井ゆうすけ
それぞれご答弁をいただきました。
まず初めに、現場で対応にあたられた職員や警察、猟友会員など、関係者の皆様に、心からの敬意と感謝を申し上げます。
通報があれば、土日祝日、昼夜を問わず駆けつけなければならず、しかも相手は移動するクマです。駆けつけた瞬間には既に場所が変わっている可能性もあり、その一瞬の判断が人命を左右します。それぞれマンパワー不足であり、こうした厳しい環境の中で、身の危険を顧みず対応していただいている皆様のおかげで、市民の安全が守られていることを、改めて感謝申し上げたいと思います。特に直近の例では、山形村等とも適切に連携し、迅速な対応が図られたと伺い、安心したところです。
一方で、只今のご答弁の中には、当時の職員の「記憶」に基づく説明もございました。しかし、危機管理において必要なのは「記憶」ではなく、正確で網羅的な「記録」です。
私はこの危険性の高い3事例について、開会前の研究段階から、市に対して時系列情報をお聞きしたところ、「書類がない」と繰り返しメールなどで回答をいただいておりました。理由を尋ねると、公文書の保存期間を超えたため破棄されたと説明を受けていました。
それを受けて、人命に関わる危機管理の分野で、なぜ令和4年の公文書がないのか、問題意識を持ち、今回質問をすることにしましたが、市からは公文書が見つかったとの連絡をいただきました。
さらに、只今のご答弁では、今年以外の2事例の「年」すら異なっておりました。
これは、現場の努力とは別次元で、組織としての文書管理・危機管理体制に改善が必要であることを示しております。
将来の人命被害を絶対に避けるためにも、文書管理の徹底と体制強化を要望します。
それでは次に、梓川高校〜アイシティの出没について伺います。
先ほど「出没ルートや原因は特定できていない」とのご答弁でした。第一通報から捕獲まで、住宅街で約2時間もクマが滞留していたと考えると、この間の住民の危険度は極めて高かったと言えます。
そこで、当時の交通規制の状況、そして対応に従事した人数の詳細について、改めてお伺いいたします。
◆環境エネルギー部長
はじめに、通告前の調査の段階で、私共がお伝えした内容に錯誤がありましたことを失礼をいたしました。適切な内容の把握と文書管理に努めてまいります。
それではご質問にお答えします。
この事案につきましては、まず市の職員が2名一組の3班体制で計6名、それから県の地域振興局の職員が3名、猟友会員1名が出動しました。
警察は、交通規制および追跡対応等に当初5名を配置し、その後の捕獲場所の対応のため10名に増員配置をされております。関係機関が一体となって対応したということをお伝えいたします。
◆今井ゆうすけ
猟友会員1名ということでした。猟友会については後ほど伺います。
次に、今年11月27日の、井川城から鎌田小学校へ至った事案について伺います。
井川城については、一昨日も目撃情報があったと報道がありましたがこれからお聞きするのは、11月27日の事例についてであります。
この日は目撃情報があったと市公式LINEなどで通知があり、大変大騒ぎになりました。渋滞なども発生しており、様々な媒体で拡散され、市民の不安が非常に高まりました。
そこで、出没ルートは河川敷からの侵入可能性が想定されていますが、その分析と、河川敷の管理状況について伺います。
◆環境エネルギー部長
お答えします。河川敷を移動してきたという考え、複数の目撃地点を踏まえると、田川河川敷からの侵入した可能性が高いのではないかと推測があったということの段階でありまして、具体的な進入ルートにつきましては確定的な情報や痕跡がないことから特定することが困難という状況でございます。
河川敷の管理状況については、河川については、それぞれの河川管理者が災害の防止、流水の正常な機能の維持、河川環境の保全等を目的として、河川の総合的な管理を行う責務を持っております。田川につきましては、松本建設事務所が管理をしており、一定の保全整備がなされております。
なお、今回の目撃情報以前になりますが、河川敷がクマの移動ルートになるケースがあることを踏まえまして、令和6年12月に行われましたツキノワグマ対策に関わる市町村意見交換会において、国県の河川管理者に対し、河川敷の環境整備をするよう市町村からお願いをしているところでございます。
◆今井ゆうすけ
田川河川敷からの侵入した可能性が高いのではないかと推測しているとご答弁をいただきました。
次に、通報について伺います。
私は、昨年12月定例会で、LINEの活用について、「道路破損等にとどまらない通報機能の活用ができないでしょうか。例えば災害時の被害情報や熊などの出没情報の通報機能の活用を提案します。」と発言したところ、市からは「熊の出没通報などにつきましては、既存メニューのその他の通報の機能を整理した上で対応してまいります。」との答弁をいただいています。
そこで現状を確認すると、LINEのメニューから、通報、道路損傷、LINEで通報する、その他 で「クマ」と入力すると、カメラを起動して通報できるようにはなっていました。こちらは、昨年の答弁どおり対応されたものと理解していますが、クマ目撃という命の危機にさらされているような緊急時に、このような操作ができるかは疑問です。
また、LINEのメニューから、クマの出没と入力すると、なぜそうしているのか不明ですが「広報まつもと」が案内されてしまいます。いささか危機感、緊張感に欠けている印象を持ちます。
そうではなくて、クマ目撃時には、まず安全確保が最優先です。通報者の状況によって仕組みを分けなければならないと考えます。
どのような場合においても、現状では非常に通報しにくいため、通報のしやすさに視点を置いてLINEを活用すべきです。一般市民は、クマを目撃したときに、どこに連絡すればいいかよくわからないとお聞きしています。そうした点においても、緊急時には、市の公式LINEを活用して、もっとわかりやすく即座に担当部署に電話できることの方が有効かつ現実的だと思います。
そこで、本市における夜間、土日祝日等の通報受付体制と合わせ、見解をお伺いいたします。
◆環境エネルギー部長
お答えします。始めに閉庁時間帯の通報対応体制についてですが、市役所本庁舎の宿日直を経由して、森林環境課へ電話連絡が届く体制となっております。森林環境課では、平日夜間は担当職員が、土日祝日は、課の全職員による2名体制の当番制を整えて対応しています。
ご紹介いただきましたLINEでカメラ撮影をしてLINEで通報する方法につきましては、機能としては使えるところではありますが市としては直接的な会話を通じて情報の正確性と確実性を担保したいと考えており、議員もご指摘されておりましたが、緊急時における操作性への疑問もあって、不向きと考えておりました。
そうした中で、ただいま議員からご提案も含めてご紹介いただきました、LINEの通報のし易さというところの優位性を高める取り組みということでありまして、通報情報の正確性、LINEの優位性と、通報情報の正確性と確実性を担保しやすい電話連絡との組み合わせというところが有効であろうと考えております。通報する市民、受信する職員の双方にメリットがあると捉えておりまして、先ほどもありました緊急性を鑑み通報先をどちらにするのか、どちらというのは警察であったり松本市であったりというところでございますが、そういった点を警察と調整しながら、早期の対応を調整してまいります。
◆今井ゆうすけ
ご答弁をいただきました。
次に、猟友会について伺います。
クマ対策をはじめ、松本市において猟友会の存在は不可欠です。
松塩筑猟友会では、昭和50年代では約2,500名以上いた会員が、現在では約500名まで減っており、私が住む寿地区では1名であります。
さらに、会員の高齢化が進む中、4割が70代以上となっており、将来的には持続困難ではないかと心配をしています。
そこで、県が実施しているハンターの養成講座などを、市も独自に実施してはどうかと考えますが、持続可能性と合わせて、市の見解を伺います。
また当然、将来においても、猟友会は持続可能でなくてはならないと考えますが、そのためには、まず、猟友会の皆さんが、安心して従事できることが極めて大切と考えます。猟友会の方からは、けっこう有害鳥獣の駆除中に怪我をしてしまったり、亡くなってしまうことがあるとお聞きをしております。
そこで、銃猟にあたる猟友会員の身分の位置付けや、命をかけて銃猟にあたる猟友会の皆さんの保険、補償はどのように準備されているか、ハンター保険の拡充に対する考えとあわせて伺います。
◆環境エネルギー部長
お答えします。猟友会の会員の総数としては、ここ数年は同程度で維持されているとお聞きしております。また平均年齢はだいたい60歳ほどだということもお聞きをしておりますが、年代別では、ただいま議員がご紹介がありました通り70代、80代の方が40%を超えているとのことでございます。私共といたしましてもクマ対策において、猟友会は極めて重要な存在でその持続性は対策の根幹に影響すると感じている中でありまして、人口減少や高齢化の進行、加えて狩猟への関心の薄れなどによって会の持続性が失われていくことを大変危惧しております。こうした認識のもとで猟友会の事務局が置かれている県 松本地域振興局や近隣の自治体とともに、支援のあり方を研究していきたいと考えております。
ハンターの養成講座についてですが、クマの生息地は、周辺自治体と繋がっており、今回の山形村アイシティでの捕獲の事案のように広域で連携して対応するケースもありますことから、県が主催していくことに合理性があると考えております。県主催の講座は、これまでも松本市近隣においても開催されておりますので、引き続き地域のハンターが参加しやすいよう、松本市近隣での開講を県にお願いしてまいります。
続いて、猟友会員の身分・補償についてでございます。
猟友会員の身分としましては、「松本市鳥獣被害対策実施隊設置要綱」に基づきまして、長野県猟友会松塩筑猟友会長の推薦を受けた方を松本市鳥獣被害対策実施隊員に任命して、地方公務員の非常勤特別職として身分を付与しています。これにより、皆さんによく知られている中では、消防団と同等の身分保障と処遇が確保されております。
活動中のケガなどへの備えとして、ハンター保険に加入していただいており、松本市において加入費の全額を補助しております。また、ハンター保険の保障範囲外となる事案が発生した場合にも、公務員災害補償の対象となります。これらの対応で、ハンターの備えはカバーされているものと考えております。
なお、緊急銃猟制度に基づく事案において事故が生じた場合は、銃猟を委託した市が賠償責任を負い、責任がハンターに及ばない制度となっております。
◆今井ゆうすけ
ご答弁を聞き、大変安心をしたところであります。
次に、市の体制について伺います。
現行の対策は農業被害の対策を中心に進められていますが、現状は人的被害のリスクが全国的に飛躍的に高まっています。
そこで、本市においても、人身被害を防ぐための施策を事業として本格的に位置づけるべきと考えます。
また、市職員が猟友会に加入し、現場対応力を高めている自治体も存在しますが、市職員の加入についての可能性も含め、見解を伺います。
◆環境エネルギー部長
お答えします。クマ等による鳥獣の被害防止につきましては、「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」に基づいております。この法律では、農業被害の軽減だけでなく、人的被害防止をも重点な施策目標として位置付けてられております。松本市は、この法律の趣旨に基づき、「松本市野生鳥獣被害防止計画」を策定し、農業被害を軽減すると共に、出没を抑制し人的被害を防ぐことを効果的に発揮する対策と捉えている駆除を行います捕獲対策。防護柵の維持や緩衝帯の整備を行う防除対策。中長期視点で森林整備を行う生息環境管理を組み合わせ、総合的な被害対策事業を推進しております。
その上で、議員ご発言の人的被害の防止に関わる新たな施策につきましては、今後柔軟に検討し、必要と判断される事業につきましては今後の計画に盛り込んでいきたいと考えております。
松本市職員が猟友会へ加入することを通じて鳥獣対策に従事することにつきましては、業務として従事する鳥獣対策と、ある意味個人的な取り組みとしての狩猟活動というところの切り分けや、専門技術を習得し長期の実践経験を積まなければならないことなど、整理しなくてはならない課題や特殊性、場合によっては職員の感情面等というものもございます。こうした点を踏まえると一筋縄ではないかなと考えております。
法的観点や倫理的観点、他市の事例や県の助言等を受けながら慎重に研究してまいりたいと考えております。
◆今井ゆうすけ
ご答弁をいただきました。
次に、市職員・猟友会・警察などの安全対策について伺います。
市民等の命を守るため、クマの出没対応にあたる人達の安全確保は最優先事項です。
現状、一部地区の猟友会には、クマ撃退スプレーを配布していると認識しておりますが、その他の防御装備の強化も含めて、ぜひ市民を守る立場の人たちの安全確保策を拡充していただきたいと思います。
そこで、クマ出没に伴う対応者の安全確保策やクマ撃退スプレーなどの安全装備を拡充させる必要があると考えますが、市の見解をお伺いいたします。
あわせて、マンパワー不足をいかに補い、効率的で安全な体制を構築していくのか、伺います。
◆環境エネルギー部長
お答えします。はじめに、市の職員の安全対策でございますが、市の職員には盾や刺股等の防御用具を配備しております。ただいま議員からもご紹介がありましたが、クマの出没が集中する奈川、安曇、梓川、波田地区の猟友会に対しましては、市からクマ撃退スプレーを配布しているところでございます。今後、活動の安全を図る上で、必要となる物品がありましたら猟友会とも相談の上、優先度を勘案しながら計画的な購入、配備を検討してまいります。
なお、警察官や県職員につきましては、それぞれ独自に対応されているものと承知をしております。
マンパワーにつきましては、ご紹介いたしますと目撃情報がありました際には、森林環境課で鳥獣対策を担う担当者以外を含めた課全体をあげた体制でパトロール等の現場対応にあたっております。また、これまでも何度かご紹介しておりますが、松本市だけでなく警察・県・猟友会の皆さんにも出動をしていただいております。各団体による状況に応じた人員配置で現時点では対応ができてはおりますが、今後緊急銃猟となった場合なども想定いたしまして、あらかじめ市役所内関係部署への応援要請の仕組みを整えるなど、組織横断的で実効性の高い体制を構築していくことを考えております。
◆今井ゆうすけ
ご答弁をいただきました。備品だけでなく、日常的な人員の増員が必要だと考えますので要望させていただきます。
次に、テクノロジーの活用について提案します。
マンパワーが限られる中、現在の「目撃されてから対応する」事後対処型の対策では、住民の不安を完全に払拭することは困難です。有害鳥獣対応にテクノロジーの活用は不可欠で、特に、科学的データに基づき、住民の安全な暮らしの確保に繋げていくことが必要です。
そこで例えば、学習放銃するクマにGPSを装着して、クマの行動経路を把握すれば、放獣したクマが再び人里へ戻ってきていないかを 24 時間監視できます。万が一戻ってきた場合も、集落侵入前に追い返すことで、「人里は怖い場所だ」という学習を強化し、共存をすることができます。
具体的には、市があらかじめ地図上に「仮想の境界線」を設定し、クマがそのラインを越えた瞬間に管理者へアラートを通知することができるため、クマが学校や住宅地に到達する「数キロ手前」で検知できます。そのため、防災無線での注意喚起や、登下校の見守り強化を「遭遇前」に行うことができ、人身被害や農作物被害の防止につながります。当然、現場の負担軽減にもなります。
これらデータの二次活用をすることで、科学的な「クマに強い地域づくり」へ繋げることができます。蓄積された行動データは、単なる追跡以外にも活用可能です。冬眠場所や時期の特定や、クマが執着している場所を特定することで、「放棄果樹の伐採」や「電気柵のピンポイント設置」など、根拠に基づいた効率的な環境整備が可能になります。
他にも、ハンターなどがGPS端末を携行することも有効です。これによりリアルタイムに位置情報などを可視化することで、安全に、連携しながらクマの追跡をすることが可能になります。
クマ対応は、市以外にも、ハンターや警察官、県や近隣自治体などと関わりますが、それぞれが異なった周波数の無線を使うなど、連携が課題です。バラバラの情報網を使っていては「そっち行った」「こっちに行った」という状況になり、バラバラな情報を1つにまとめる必要があります。
これを導入できれば、これから緊急銃猟を検討する際、司令塔となる対策本部や、臥雲市長が速やかに状況を把握し、クマが移動した時も臨機応変に対応できるようになります。住民の避難誘導や交通規制の範囲も指示しやすいです。
試験的に取り入れた標津町では「これまではハンターの勘と経験に頼って駆除を行ってきたが、今後このようなツールで得た情報は自治体が緊急銃猟をするかの判断材料になるし、安全確保にもつながる」と大変期待しておられました。現場の安全、チーム連携、また高齢ハンターから自治体や若手への技術継承にもなります。
他にも、出没の可能性がある箇所にAIやサーマルカメラを活用することで個体の判別を明確にするなどテクノロジーの活用が有効と考えます。
こうした取り組みは、今後の実効性ある対策に大きく寄与すると考えますが、市の見解を伺います。
◆環境エネルギー部長
お答えします。ただいま様々なテクノロジーを議員からご紹介をいただきました。一部の先進都市でこうしたテクノロジーが導入されていることは承知をしてございます。私自身も東北地方を中心としたクマ被害の拡大のせいか様々な企業の皆様からご提案をいただいているところでございます。
議員からご発言がありました通り、クマの動きをより正確に把握し予測、対策を練る、実行する、そういったことをする上で、テクノロジーは重要な役割を果たしてくれるものと捉えております。以前一部松本市でも取り組んだケースがあるとの話も聞いてはおりますけれども、広大な山林を有する松本市においては導入に際して、実運用における有効性や導入コスト、保守体制等、考慮しなければならない点は一部ございますが、そうした点は考慮しつつ先進都市の事例を踏まえ実証実験の実施や実装が可能なテクノロジーの導入について研究をしてまいります。
◆今井ゆうすけ
ご答弁をいただきました。
他にもドローンを活用し、映像と熱源の検知を組み合わせることで、クマが活発になる早朝や夜間でも安全に捜索等が可能になります。日常と非日常で使い分けを行い、平時はインフラ等の点検等、非常時は災害などでも使えます。
ぜひ科学的で再現性のあるデータに基づく管理をお願いいたします。
次に、獣害防護柵について伺います。
獣害防護柵はシカなどによる農業被害を防ぐためのものでありますが、クマの侵入防止効果も期待できます。
ただ、松がれの倒木による破損や、柵の現状が把握できていない箇所があること、地元負担が重いこと、対応年数は14年ということで今後老朽化が避けられないこと、設置計画があるのに未設置の箇所があることなど、課題もございます。
そこで、緩衝帯の整備に合わせて、柵の計画的な更新、現状の実態把握、未設置箇所への柵の設置ができないかお伺いいたします。
◆産業振興部長
お答えします。獣害防護柵は、松本市が資材を提供し地元住民が労力を提供する協働方式によりまして、平成22年度から平成28年度にかけまして総延長175kmが設置されております。
現状一部において、柵の破損や機能不全箇所があることは承知しておりますが、全容は把握出来ていないことから、各地区の防護柵管理団体などへ聞き取りを行うことや現地調査などを行いまして、今年度末までに現状を把握することとしております。
その上で、柵の更新や移動・移設等が必要と判断した場合は、地元と調整のうえ、必要な対応を図ってまいります。
また、防護柵が未設置となっている箇所は、防護柵設置に対する地域の合意が得られていないことが要因であることから、実設置地区の関係者に対し、設置を働きかけ、合意が得られれば柵の設置を進めてまいります。
◆今井ゆうすけ
ご答弁いただきました。
南部ブロックにおいても、中山地区で、昨年や一昨年に、成獣が錯誤捕獲されております。住民は「危険は想像以上に身近にある」と強い不安を抱いています。
塩尻市では防護柵がありません。合わせて、塩尻市では檻の設置すらも朝日村や山形村の方にはしていますが、松本市付近に檻は設置していないということです。
このようなことから、松本市として中山地区で錯誤捕獲したことなどを、しっかりと塩尻市にも情報共有していただきたいと思います。そうでないと塩尻市としては設置の検討ができません。
これは塩尻市に限ったことではありませんが、自治体連携の強化をお願いします。
次に、クマを引き寄せる誘因物対策について伺います。
クマを誘引する要因として、農作物、とりわけ果樹や養蜂、生ごみなどが挙げられます。これらが残っている場合、出没リスクが高まります。
そこで、本市として特に問題が多い分野は何でしょうか。また、指導はどのように行っているのかお伺いいたします。
◆環境エネルギー部長
お答えします。クマは執着心が強く、一度餌場として学習すると繰り返し出没する傾向があるため、誘引物の適切な管理が重要視 されています。
本市特有ということではございませんが、誘引物としては、議員が発言された農作物や養蜂、生ごみのほか、塗料などの揮発性の臭いや、漬物などの発酵臭の強いものにも誘引される可能性があることをホームページでお知らせしております。
熊を引き寄せない対応として、被害に遭いそうな農作物は電気柵などで守る。農作物の残渣や生ごみなどを野外で放置せず、速やかに処理するか、屋内で保管する。栗柿などはクマを誘引する可能性が高いため採取するか伐採するなどの誘引物の除去についてホームページや出没が多い地域で周知しお願いしているところであります。
合わせて今後、固定資産税の納税通知書に同封されているチラシにクマの誘引物を除去するなどをお願いすることを予定しております。
◆今井ゆうすけ
しっかりと周知をお願いします。
また、クマの生息域で生活している市民は理解されておりますけれども、それ以外の多くの市民などは、クマとの遭遇時の行動指針や避難方法、遭遇しないための取組や注意すべき時間帯などを十分に理解していません。
先ほどの誘因物対策も含めてですが、実際に松本市において出没しているわけでありますので、岳都松本を標榜している市としても、しっかりと周知をしていただきたいと思います。
そこで、本市として現在の周知啓発をどのように評価しているのか伺います。
また、出没警戒区域の指定や、危険な時期に市として「クマ出没注意報・警報」等を発令する取り組みについても見解をお伺いいたします。
◆環境エネルギー部長
お答えします。現在ホームページを通じて、クマ鈴やラジオなど音のでるものをもち歩くことこと。明け方や夕暮れ時はクマの活動が活発になること。遭遇時に大声をあげたり、石を投げたり、走って逃げたりすると危険であること。また万が一襲われた際には、首の後ろを両手で組んで丸くなって地面にうずくまるなど、重症化を防ぐ体制をとること。こうした情報をお知らせしているところでございます。
昨今のクマ被害の増加に伴い報道による情報も増えましたが、まだまだ市民への浸透は十分ではないと感じております。引き続き周知啓発に取り組んでいかなければならないと考えております。
今後、関連のホームページを、クマ対策に特化した実用的で、分かりやすいものへと段階的に改めていき、より市民に浸透するよう努めてまいりたいと考えております。
「クマ出没注意報・警報」につきましては、県の方で発出することになっております。この注意報、クマの目撃情報が例年より多い地域や里山でクマによる人身被害が発生した地域に県が「ツキノワグマ出没注意報」を発出するものとなっております。被る部分がありますので、松本市としては、県のクマ出没注意報が発出された場合に、松本市としてあらゆる手段用いて周知の広報に努めることに万全を期したいと考えております。
なお、この注意報、令和7年度は松本市を含む松本地域を対象とする範囲では注意報は発出されていないことを申し添えます。
◆今井ゆうすけ
ご答弁をいただきました。
最後に、市長にお伺いをいたします。
今年、大町市では人的被害が発生し、尊い命が奪われました。松本市内でも学校を含む複数箇所で出没が確認されています。
そして今、これまで国や県が担ってきた領域にも、緊急銃猟を含め、市町村が判断・対応すべき責任と権限が確実に広がりつつあります。補償の問題も極めて重いテーマです。大町市等を参考に、早期に緊急銃猟の訓練もやるべきです。
まさに、本市のトップである臥雲市長が、何を準備し、どう判断し、どのように責任を果たしていくのか、その姿勢がこれまで以上に問われる局面にあります。
当然、市長が海外出張中であっても、市として即応できる体制を整えておかなければなりません。災害発生時も同様でございます。
そこでまず、臥雲市長ご自身が今の状況をどう受け止め、どのような覚悟をもって職務に臨もうとしているのか、その「心構え」を伺います。
加えて、市民生活や産業への影響もすでに現れています。
先週金曜日には、中学校の修学旅行で、上高地のアルペンホテルに予約していた約190人もの宿泊がキャンセルになったと伺いました。上高地が危険だからではなく、全国的なニュースと保護者の不安が背景にあったと聞いています。
上高地では近年、人身事故も発生しています。観光客の安心、そして観光に携わる方々の事業継続にとって、「クマ対策」はもはや欠かすことのできない基盤であり、松本市のイメージを大きく左右する課題です。
松本は「岳都」を掲げるまちです。山と共に生きる都市として、クマの出没状況を正しく把握し、恐怖だけを増幅させるのではなく、安心して暮らせる地域、安心して訪れていただける観光地として、どのようにシンカさせていくのか。これからの松本の方向性を示すうえで、臥雲市長の判断は極めて重いものと考えます。クマ対策の強化を含め、岳都松本をどうシンカさせていくのか、臥雲市長のご見解をお伺いし、犬飼議員にバトンを渡しながら、以上で私の質問の全てを終えます。ありがとうございました。
◆臥雲市長
お答えします。東北地方を中心に、クマによる人身被害が相次ぎ、ほど近い大町市おいても、犠牲者が出たことに心を痛めております。いまのところ大きな被害は発生していない松本市にも、強い警告を発していると捉えています。
今年9月の改正鳥獣保護管理法の施行で、住民の日常生活圏に侵入したクマなどに対しては、緊急性が高く、銃猟以外の方法では、的確かつ迅速な捕獲が難しい場合には、市町村長が発砲を判断する「緊急銃猟」が可能となっています。
こうした場合、これまで経験のない判断を私自身することになりますが、警察・長野県・猟友会と連携して、発砲による市民への二次被害の可能性を慎重に見極めた上で、クマによる人身被害の発生を防ぐ責務を果たしてまいります。
一方、議員もご指摘のように、過度なクマへの警戒が、登山観光や地域経済に悪影響を及ぼすことは極力避けなければならないと考えます。正確な情報と知識に基づくリスク管理により、被害防止と経済活動の両立を図ることが重要であります。
そのため、山岳エリアで登山、様々なイベントの開催などの際には、参加者を守る対策を十分に講じるとともに、登山者に向けた安全講習会の開催、市民がクマの生態を知って、共存するための知識を学ぶ機会を今後増やしてまいります。
山と共に生きる岳都を標榜する松本市といたしましては、こうした取り組みを通じて「山や野生動物との付き合い方」を深めると共に、中長期的な視点に立った森林再生に取り組み、クマの適正な生息域確保と住民生活圏の住み分けを実現していきたいと考えています。
