22November2025
ケアリーバーを含めた若い世代への支援策

児童養護施設や里親家庭などの社会的養護のケアから離れた子ども
◆今井ゆうすけ
誠の会の今井ゆうすけです。発言の機会をいただきました。会派を代表し同僚議員に続きまして、一部私見を交えながら件名ごと一括にて質問いたします。
今回は福祉行政、とりわけ社会的養護を受けた若者、いわゆるケアリーバーへの支援について質問をいたします。
親の死や病気、経済的困窮、そして虐待やネグレクトなど、様々な事情により家庭での養育が難しくなった子供たちがいます。そうした子供たちは児童相談所の判断の下、児童養護施設や里親家庭などでの生活を余儀なくされます。現在、長野県内では約550人の子供たちがこの社会的養護の下で暮らしています。松本市にも児童養護施設があり、そこに暮らす子供たちは紛れもなく私たちと同じ松本市民です。子供としての権利、そして成長の機会は、どの子にも等しく保障されなければなりません。松本で子供時代を過ごし、社会へと巣立っていきます。支えを必要とするその歩みの中で、市がどのように寄り添い手を差し伸べられるのか、それはこのまちの包容力が問われていると感じます。
それでは初めに、ケアリーバーの支援の現状と課題について伺います。
ケアリーバーとは、児童養護施設や里親家庭などといった社会的養護の元を離れた子供、若者のことを言います。彼らは保護者がいない、または虐待を受けたなど、何らかの理由で保護者と一緒に暮らせない子供たちは、法に基づき児童養護施設への入所等の措置がされますが、高校卒業などのタイミングで措置が解除され、突然自立を求められることになります。進学や就労しながら経済的にも精神的にも自分一人で生活を支えていかなければなりません。こうした状況に置かれたケアリーバーは、社会の中で非常に孤立しやすく困窮にも陥りやすい傾向があります。一般家庭であれば失敗しても帰る場所があり、困ったときには親に相談することができます。しかし、ケアリーバーにはそうした支えがない場合があります。進学や就職、そして人生の中で壁にぶつかったとき頼れる家族がいない、心に傷を抱えながら自らの力だけで社会を生き抜かなければならない、その負担の大きさは想像をはるかに超えるものです。
また、児童養護施設では、子供同士の集団生活であり、大人とじっくり話す機会が限られています。これまでの経験などから大人と話すことに苦手意識を持っている子も少なくありません。さらに、虐待の影響などにより精神医療を必要とし、通院しながら仕事を続ける若者もいます。就職後人間関係がうまくいかず離職してしまうケースも多く、仕事を辞めれば収入だけではなく住まいを失うという現実があります。社員寮や住み込みでの就労だった場合は、即座に居場所を失ってしまうのです。たとえブラック企業であっても辞める決断ができない、進学しても生活費のためにバイトを掛け持ちし学業に集中できずに中退してしまう、こうした例も決して珍しくありません。親に頼れない若者が施設などを出た瞬間から全てを一人で背負わなければならないのはあまりにも過酷であり、制度としての支えが欠かせません。
事実として、令和5年度の長野県内におけるケアリーバーの進学率は僅か39%であり、県全体の進学率75%と比べて大きく下回っています。ケアリーバーの中には養育途中で別の施設や里親家庭へ移る経験を重ねたり、施設内でも職員が入れ替わるなど、愛着を育む機会が極めて乏しいまま成長してしまった方もいます。こうした背景から、今の生活がいつ終わるのか分からないという不安を抱え、将来を描くこと自体が難しいとも聞いています。進学率の低さには、金銭的な要因だけではなく、先の見えなさや頼れる人がいないといった心理的な不安が影響していると考えられます。
こうした中、松本市ではこれまでケアリーバーという言葉すら過去の会議録検索システムに登場しておらず、明確な所管部署も存在しません。市としての実態把握も支援の仕組みもいまだ整っていないのが現状です。
そこで、お尋ねいたします。
市としてケアリーバーの実態はどのように把握されているのでしょうか、どの部署が主体となりどのような支援を行っているのでしょうか、市の現状と課題をお伺いいたします。
続いて、こども若者部の新設について伺います。
今年度、これまでのこども部がこども若者部となり、新たに若者参画課が設けられました。これは私自身がかねてより提案してきたものであり、若者の声を市政に反映させるという意味でも大きな一歩であると捉えております。
そこで、部の名称変更にとどまらず、今後、松本市として具体的にどのような子供・若者支援が実現されていくのか市のビジョンをお伺いいたします。
◆こども若者部長
2点のご質問にお答えします。
初めに、ケアリーバーの実態把握、支援内容、市の実態についてお答えいたします。
まず、児童養護施設は、議員ご紹介のとおり、保護者のいない児童、虐待されている児童、その他環境上養護を要する児童を入所させ、児童の養護、退所した方に対する相談、自立のための援助を行うことを目的とする施設で、入所は児童相談所の措置によるものであります。ケアリーバーへの支援、相談は、児童養護施設に設置されている自立支援担当職員等が対象の相談支援を行っております。
また、令和7年4月から長野県が行っている社会的養護自立支援拠点事業の補助を受け、長野県社会福祉協議会が信州地域養護若者サポート拠点「わかさぽBase」を開所し、社会的養護経験者の若者たちや様々な困難を抱えている若者たちの住まい、仕事、お金等の困り事を受け止め、安心できる居場所づくりや関係機関と連携して若者たちの自立を支援しております。よって、現在、松本市では、ケアリーバーの全市的な実態把握は行っておりません。
ケアリーバーの担当課は、こども福祉課となります。市内の児童養護施設にこども福祉課が事務局を務めております松本市要保護児童対策地域協議会の構成員となっていただき日頃から連携を図っております。その関係から児童養護施設の職員から依頼を受け、国民健康保険証の取得などケアリーバーの要請窓口の手続について、施設職員に同行するといった支援を行っております。このような個別の支援を通じて実態を把握しております。
次に、今年度新設された若者参画課につきましては、ケアリーバーの支援を主たる目的とはしておりませんが、就職や仕事の悩み、人生問題などの相談を希望する若者に、年2回を上限として産業カウンセラーなどの相談員がアドバイスを行う若者お悩み相談や重層的支援体制整備事業の一環として、若者のひきこもりの現状や若者当事者の気持ちを理解し対応の参考にしていくことを目的に研修会や講演会などを開催し、青少年のひきこもりに関する啓発活動も実施しております。これらの事業の中で気になるケースがあった場合は、関係部局へつなぐ体制を取っております。
若者参画課では、若者の社会参画の促進を目指しております。具体的な取組としましては、若者が気軽に集える拠点を整備することで、若者が社会に対し意見表明することへのハードルを下げることにつながることを検証する目的で、5月からMウイング若者参画課の事務室を毎週火曜日16時から20時の間、試行的に開放しました。これまで5回開催し、一般社会人、大学生、高校生が1回平均で20名程度来所し、参加者同士が自由に対話、意見交換をする場となりました。
また、若者が多様な人と関わる機会の創出や社会全体で若者の活動を総合的に支援していく環境整備を目指しています。その一つとして、今年度市職員向けに若者の社会参画推進実務研修を計画し、7月から8月までに計3回実施する予定です。研修終了後は庁内有志で庁内若者参画応援チームをつくり、庁内での連携や地域とのつながりを検討していきたいと考えております。
以上です。
◆今井ゆうすけ
それぞれご答弁をいただきました。
まず、若者参画課については既に様々な取組が動き出しているということで、松本市として非常に大きな一歩だと受け止めております。市民の皆様の関心も高く、庁内若者参画応援チームなど、今後の展開が期待される取組が始まっていることに大いに注目しています。今後も継続的に取組を見守ってまいります。
また、松本市は子供・若者の自殺率が全国平均よりも高いという厳しい現状にあり、問題は複雑化・複合化しています。今回のこども若者部の新設によって、これまで行政に届きづらかった子供や若者の声がようやく届くのではないかと大きな期待を寄せております。
続いて、ケアリーバー支援についてのご答弁をいただきましたが、市として全体的な実態把握は行っていないというお答えでした。つまり、現時点ではケアリーバーの全体像が把握されておらず、支援やフォローが本人の申出や支援者からの働きかけに頼っているという現状です。これでは支援を必要とする若者が取り残される可能性が高く、自治体としての責任を果たすためにも、まずは客観的な実態把握が必要だと考えます。私の元には実際に困難を抱えているケアリーバーの方から様々な願いや相談が寄せられています。松本市に状況を尋ねた際も、若者なのか子供なのかという年齢による縦割りで所管課が定まらず、福祉政策課なのかこども福祉課なのか私自身も明確な窓口を見つけられませんでした。
しかし、今回の一般質問を通じて、こうした所管の曖昧さが少しずつ明らかになったことは前進と捉えております。とはいえ、現状は受動的、断片的な対応にとどまっており、組織的な支援体制には至っていません。例えば、児童養護施設では卒園後のアフターケアを行っていますが、当事者の中には心配をかけたくない、自立したからには誰にも頼れないといった思いから相談をためらっている人がいるのが実情です。また、どこに相談すればよいのか分からないという声も多く、情報の周知不足やアクセスの困難さも大きな課題です。施設を出た後に困っていても行政にたどり着けない現実がある以上、市としては能動的な支援体制の構築が必要ではないでしょうか。
ある方は絶望的な状況で松本市に相談をしましたが、たらい回しにされたと感じたそうです。こうしたことがないよう、まいさぽやわかさぽBaseなどへとしっかりと橋渡しを行い、市民に最も身近な存在として切れ目のない支援を行うことが市には求められています。施設や県に任せるだけでは限界があるという現実を市としても直視をしていただきたいと思います。そのような中で、松本市が進める誰も取り残さない全世代型支援体制整備事業は、非常に重要な取組です。
しかし、課題を解決することだけにとどまらず、孤立している方々とつながり続ける伴走的支援の強化が不可欠だと考えます。ケアリーバーにとって信頼できる誰かとの継続的な関係性は何よりも大きな支えとなります。しかし、市の職員には人事異動があるため、一度築いた信頼関係が断たれてしまうことも少なくありません。また、公務員という立場上同行できる場所やできる支援の内容にも制限があるのが実情です。今回取り上げているケアリーバー支援は、特定の課題に限ったものではありません。また、例えばヤングケアラーについても法改正により18歳以上の若者も支援対象となりましたが、実際には相談につながるケースが少ないという課題があります。さらに、いわゆる8050問題など、高齢者世帯の孤立も深刻です。だからこそ、何らかの課題を抱え孤立していたり、相談窓口に足を運べなかったり、SOSを発信できなかったりする方々に対して、年齢や課題の種類にかかわらず信頼関係を築きつながり続ける支援の体制が必要であると考えます。
そこで、今年度よりひきこもり等社会参加サポート事業が開始になりますが、その経過と事業内容についてお伺いをいたします。
さらに、厚生労働省が令和2年度に行ったケアリーバーに関する全国調査では、児童養護施設や里親の元を離れた子供・若者のうち51%が独り暮らしをしており、そのうち22%が支出のほうが多いと収支が赤字の状態であると回答しています。つまり、5人に1人が赤字の生活を行っているという深刻な実態があります。また、今後利用したい支援では、金銭面に関する支援が29%で最も高く、次いで住居や食料に関する支援が26%と、生活の基盤に直結する支援が強く求められています。松本市にも施設や里親家庭を離れ独りで生活している若者がいます。誰一人取り残さない社会を実現するためにも、こうしたケアリーバーへの積極的な支援は不可欠です。
愛知県豊橋市では児童相談所や児童養護施設などと連携をして対象者の把握を行い、フードバンクと連携をして希望するケアリーバーに食料を定期的に配達しています。また、相談先の周知や家庭訪問を通じて生活の様子を把握し、必要に応じて関係機関と連携した支援を行っています。要は、豊橋市では退所前から市職員が施設に出向き、子供と顔を合わせてこんな支援がありますよ、困ったことがあれば相談してくださいと伝えた上で、希望があれば退所後も2か月に1回程度フードバンクを活用した食料支援を通じて訪問しながら見守るという取組が行われています。こうしたつながる届ける見守る支援を松本市でもぜひ導入していただきたいと考えています。
そこで、児童養護施設などで生活している子供たちのお困り事や支援ニーズについて市としてどの程度把握しているのでしょうか。また、豊橋市などのように市としてケアリーバーの支援を行っている実態がありますが、松本市としてケアリーバーに対してどのような支援を行うことができるでしょうかお伺いをいたします。
さらに、最大の課題は施設などを巣立つ際からかかる費用の大きさです。高校生活とアルバイトを両立しながら生活資金を準備し、児童手当の積立金や県からの支度金などで入居費用や家電などを賄う必要がありますが、保証人がいない、家族の支援が受けられないといった実情の中で、これが非常に高いハードルになっています。進学すれば学費など、就職で車が必要なら免許や自動車の取得などもかかってまいります。現時点では、松本市にはこうした金銭的支援制度は存在しませんが、児童養護施設などを巣立つ若者を応援するために、新たな自立支援制度を創設できないでしょうか。
また、施設などの入所中から自立に向けた支援や退所後のアフターケアまで寄り添った支援が必要です。もっと言えば、ケアリーバー以外も含めた子供、若者、そして子育て世代への支援を充実させることが必要です。そのための財源としてふるさと納税型クラウドファンディングなどの活用は有効だと考えます。
支援事業を具体化し、ケアリーバーを支援するための事業にふるさと納税が活用できないでしょうか。また、これまでも積極的に活用していただきたいと提案をしてまいりましたが、特定の事業に対するふるさと納税の状況についてもお伺いし、以上2回目の質問といたします。
◆健康福祉部長
まず初めに、ひきこもり等社会参加サポート事業についてお答えいたします。
まず、経過についてでございますが、松本市では令和5年度から、議員ご紹介のとおり、誰も取り残さない全世代型支援体制整備事業を開始し、今年で2年が経過いたしました。この事業を進める中で、庁内外の関係機関から自らSOSを発信できない方や相談機関に訪れることが困難な方に対し、支援者側から直接出向く支援や支援が切れてもこれまでの関係性を保ち、つながり続ける伴走的支援の強化が必要であるという意見が寄せられました。こうした声を受け、議員ご紹介のとおり、松本市では今年度からひきこもり等社会参加サポート事業を開始するに至ったものでございます。
次に、自主事業についてでありますが、この事業は内部機関である社会福祉法人等へ委託し、社会福祉士などの専門職により支援に取り組むもので、事業内容は支援者が直接出向く支援である家庭訪問などのアウトリーチや、社会活動へ一歩踏み出すための丁寧な伴走的支援が主なものであります。
今後、こうした支援を通じ、必要な支援が届いていない個人やそのご家族に対し積極的な支援に取り組んでまいります。
以上でございます。
◆こども若者部長
私からは児童養護施設等の入所者に関するご質問にお答えいたします。
児童養護施設等で生活している子供たちのニーズ等の把握は、施設の職員のほか児童相談所の職員が行っているため、現在、松本市では把握しておりません。児童相談所などがニーズを把握した結果、退所後に障害福祉サービスの利用など希望があった場合には、松本市がサービスの決定を行う必要のある子供について、児童相談所や施設の職員から連絡を受け、サービス利用に向けた詳細なニーズの把握を行っております。また、児童養護施設を退所するときに、経済的な支援を必要とする場合など、個々のニーズを把握し相談先を案内しております。
次に、ケアリーバーの支援につきましては、まずは対象者の把握が必要であると考えております。ケアリーバーに関する情報を把握している児童相談所や児童養護施設と情報共有を行う必要があるため、議員ご紹介の豊橋市がどのような情報を共有しているか研究していきたいと考えております。
最後に、新たな自立支援制度の創設ですが、進学や就労といった新たなライフステージへ移る際に、児童養護施設を退所される方や里親宅を出られる方へは長野県から入学・進学支度金や就職支度金が措置費として支給されていますが、それ以上に費用が必要となることは認識しております。
しかし、親と一緒に生活をしていても家庭の様々な事情により必要な経済的支援を受けることができない若者もおりますので、児童養護施設を巣立つからという理由で新たな児童支援制度を創設することは現在考えておりませんが、個々の相談には寄り添った対応を行ってまいりたいと考えております。
以上です。
◆移住交流推進室長
特定の事業に対するふるさと納税の現状と活用についてお答えいたします。
松本市では、特定の事業や地域課題に対するクラウドファンディング型のふるさと納税として、令和4年度から美しい上高地を未来に残すために上高地「再生と安全」プロジェクトへの寄附など実施しており、今年度は安曇・奈川地区で新たに事業を起こす起業家を支援するためのふるさと起業家支援事業補助金への活用を予定しております。
事業選定に当たっては、地域の歴史、文化、自然環境の保全など、松本市の特色を生かした事業であること、また、地域課題の解決や市民生活の向上に直接つながることが重要と考えています。このような観点から、ケアリーバーを支援する事業が具体化される際には、クラウドファンディング型のふるさと納税が活用できるかを検討してまいります。
以上でございます。
◆今井ゆうすけ
それぞれご答弁をいただきました。
まず、新たな自立支援制度については現時点では考えていないと明確なご答弁をいただき、大変残念に思っています。親がいない、支援の連続性がないなど、ケアリーバーにはほかの若者とは質的に異なる支援ニーズがあります。全国的には富岡市や前橋市をはじめ複数の自治体が、自立生活支度金支給事業や自動車運転免許証取得支援事業など独自に実施しています。松本市でもこうした制度の創出は必要不可欠であると私は考えておりますので、今後も粘り強く実現を求めてまいります。
一方で、ひきこもり等社会参加サポート事業やふるさと納税については前向きな進展があり、大きな前進と受け止めております。引き続き、着実な取組をお願いいたします。
施設入居中の子供の支援ニーズの把握についてですが、私は市として施設に入所している子供たちを自分たちのまちの子供として認識し、把握する責任があると考えます。松本市には今年で75年目を迎える児童養護施設があり、そこに暮らす子供たちは紛れもなく市民です。たとえ施設を巣立っても市内で暮らし続ける方も多く、市として何も知らないという状況はあってはなりません。今後、子供たちの現状をしっかりと把握し、必要な支援につなげていただくことを求めます。
次に、施設や里親の元で暮らす子供たちへの実質的な支援について伺います。
先日、物価高騰や米不足などの中、児童養護施設などの子供たちにちゃんと食料が届いているのか心配になり、実際に現場を訪れました。松川町の農家から米の寄附があると伺い少し安心をしましたが、こうした善意をもっと広げていくためにも、市としてLINEなどを活用し、寄附やサービス、物品支援、人材募集などの情報を発信する仕組みを構築できないでしょうか。具体的には、児童養護施設などが行っている寄附等の募集について、市の広報を活用し広く発信することはできないのかお伺いをいたします。
さらに、児童養護施設などで暮らす子供たちが、将来の選択肢を広げる機会づくりや学びや好奇心を満たす環境づくりも必要です。例えば、公共施設の減免や交通手段への支援など、市として何かできることがあるはずです。何かできないでしょうか。
次に、社会的養護が必要な子供を生み出さないための予防的支援について伺います。
貧困や虐待など社会的養護が必要となる背景には、家庭の困難があります。こうした家庭を早期に発見し、切れ目のない支援で孤立を防ぐことが最も効果的な予防策です。また、経済的な理由などで家庭を離れざるを得なかった子供が安心して家庭に戻れるような支援体制も必要です。こうした社会的養護を必要としない社会づくりに向けて、市として新たに何か取り組めないのかお伺いをいたします。
そして最後に、臥雲市長にお伺いをいたします。
「子どもが主人公のまち、女性と若者に選ばれるまち」を掲げる臥雲市長におかれましては、ケアリーバーを含めた子供、若者、そして子育て家庭への今後の支援策について市長としてのお考えをお聞かせください。
ケアリーバー支援は決して特別扱いではありません。家庭というセーフティーネットがない若者に対し、社会がその役割を果たすという当たり前の支援であるべきです。松本市で育った子供たちがここにいてよかったと思えるような支援体制をつくることは、全ての市民にとっても安心できるまちづくりにつながります。市としてケアリーバーの実態をしっかりと把握し、制度的支援と官民連携による多様な支援策を総合的に整備していただくことを改めて強く要望いたします。
以上で、私の全ての発言を終わります。ありがとうございました。
◆臥雲義尚 市長
お答えいたします。
ケアリーバーに対する支援、社会的養護を受けた若者が自立していくための支援につきましては、これまで松本市として政策の優先順位が高かったとは言えない状況でありました。長野県が主体となって対応するものという認識が庁内には前提にございました。今日の今井議員の質問をお聞きしながら、改めて認識を新たにする、改めなければならないと感じたところでございます。まずは児童相談所や児童養護施設と協議を行って、どのような支援ができるか早急に検討をしたいと考えております。
先ほど議員からご紹介がありましたように、先進市である豊橋市が関係機関と連携して対象者を把握した上で、フードバンクと連携した食料の宅配、家庭訪問による相談支援といった事例は参考になるものとお聞きをいたしました。児童養護施設を巣立つときや里親宅を出るときが訪れても、その後の生活を送る上で心配事や困り事が生じたときに、児童養護施設や里親の皆さんに気軽に相談できる体制を構築することはもちろんでございますけれども、そのほかに行政としてケアリーバーに寄り添う対応というものは具体的にどのようなものができるのか、また必要なのか検討をしてまいります。
先ほど今井議員からケアリーバーは家庭というセーフティーネットがない、質的に異なる支援ニーズがあるということで、ほかの子供や若者の困窮支援とは一線を引いた対応ができるのではないかというご指摘をいただきました。長引く経済の停滞や超高齢化社会の進展によりまして、ケアリーバー、ヤングケアラーといった複雑な家庭関係や困難な経済環境に置かれ、社会の支援なしに普




