Diary

18September2021

日本中で差別やいじめ等に苦しんでいるあなたへ


私は、日本中で差別やいじめなどで苦しんでいる人に「松本に来てくれ」と、松本は多様な生き方を尊重する差別のない街なんだと示し、選ばれる。弱い立場の人も、みんなが安心して暮らせる。そんな松本をつくりたいです。そんな日本をつくりたいです。

 

今回の議会で、新しい条例の制定や今ある条例の改正を提言し、臥雲義尚 市長からは「検討する必要がある」とご答弁をいただきました。

~令和3年9月定例会~
[質問の件名と要旨]
1 新型コロナウイルス感染症対策
(1)差別や誹謗中傷等について

 

【登壇1回目】

会派開明の今井ゆうすけです。一問一答方式にて質問を行います。

極めて感染力の強いデルタ株において、誰がどこで感染してもおかしくない状況に、多くの皆さんが不安を抱えています。

この不安が問題であり、その不安から、本市においても悪質な差別や誹謗中傷などが起こっています。東京オリンピックでは、出場選手へのSNSで度を超えた誹謗中傷が相次いだと報道されましたが、コロナに関わる差別においても、ネット上での差別が増えています。

具体例を申し上げますと、「昨日のコロナ感染者は●学校の▲って名前だよ。●部だって」などというような感染者個人や組織を特定し、公表・非難する行為。「●の▲って店、コロナが出たのに隠ぺいしている」などというような風評被害。「感染者が出た●って店、消毒のために燃やしてやる」というような、身に危険が及ぶ可能性や、それを扇動するといった、即日対応しなければならない投稿もあります。

差別のメカニズムは2つです。

1つ目は、心理的な要因で、得体のしれないウイルスの怖さ、薬害の怖さが、私たちを大きくを不安にさせてしまいます。恐れれば恐れるほど、実際に感染した人が現れた時に、近くに寄って来ないでと、つい遠ざけてしまい、差別が増えてしまいます。

2つ目は、社会的要因で、社会の中で感染症をゼロに近づけていかなければならない。ウイルスは異物であって排除しなくてはいけない。このようなプレッシャーは強まり過ぎてしまうと、まるで病気になることが悪いことかのように、社会で認識が広まっていってしまいます。こうした、感染を減らさなくてはいけないというような、そういう認識が広がることも差別を助長します。

恐ろしいことに誹謗中傷の多くは正義感によって起こるため、本人が悪いことと思っていない場合があります。止む終えない理由で県外との往来をせざるおえない人、ワクチンを接種しない人・できない人、病気や障害等でマスクをつけられない人などがいるということ、そういったことをはじめ、様々な理解を深め、差別につながることがないようにしなければなりません。

コロナが体の感染だけではなくて、私たちの人間関係や社会の分断を生んでいます。

今後も、感染拡大地域との往来など、感染への不安による不当な扱いはもとより、ワクチン接種が進むほどに、摂取しない・接種できないことによる不当な扱いなどが予想されます。

そこで初めに、新型コロナウイルス感染症に関する差別を受けないための周知啓発は、どのように行っているのでしょうか。

また、誹謗中傷に限らず、新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者等に寄り添うための窓口のご案内は、どのように行っているのか伺います。

 

【登壇2回目】

ご答弁をいただきました。

松本市のホームページを、先月1日〜31日までの期間で、アクセス数を比較すると、「トップページ」が約359万件、「松本市の陽性者発生状況」ページが約160万件となっている一方で、答弁にあった動画のあるページは211件と、万単位で違い、桁数を疑うほど少ないです。

また、後ほど議論しますが、長野県が設置した電話相談窓口へ案内する「新型コロナ 誹謗中傷等被害相談窓口」ページは1件、ネットによる誹謗中傷などについての「インターネットのルールとマナー」ページは3件という結果であり、全く見られていないと言えます。

「松本市の陽性者発生のお知らせ」などといった情報は毎日発信しているので市民に届いています。しかしながら、差別関係の周知啓発は発信数が少なく、市民に届いていません。特に陽性者数が増えれば増えるほど、そのような情報もしっかりと届けていただくことを求めます。

さて、安曇野市は今月6日、市民1人がワクチン接種後に亡くなったと明らかにしました。「接種との因果関係は評価不能とされている」としています。厚労省からは市民の副反応について、死亡した人を含め5件の報告があり、うち1人は重いアナフィラキシーショックで一時入院したといいます。

他にもワクチンに異物が混入していたということもあり、このような報道を目にすると不安になります。

しかしながら、接種をためらっている原因がネット上のデマだとしたら、それは間違っています。ワクチンを打たない人への不当な差別が生じないよう、メリットとデメリットの正しい理解を進めることが必要です。

皆さん!子供たちのLINE上で、どんなに酷いやり取りがされているか、見たことがある方はいらっしゃいますか。生徒の感染にまつわる差別は、LINEからの拡散がほとんどです。塾やスポーツクラブで違う市町村の学校の友人とも繋がっているので、大人が思っている以上に情報拡散が早く、デマやいじめが起こっています。

子供が濃厚接触者扱いになるだけでも辛いです、そう話す保護者は多いです。ネットという見えないところで子供の世界が広がっている現在、どんなに注意深く子供の様子を観察しても、限界があるかもしれません。しかし、そうした努力を惜しまない事が大切です。

子どもの中では「ワクチン接種しないと仲間外れになる」、「ワクチンを接種したら将来奇形児が産まれる」などというデマやいじめがあります。

そこで、コロナワクチン未接種者に対して、差別や偏見につながらないため、どのような取組みをしているのでしょうか。

あわせて、コロナワクチン接種について誤った情報により、接種を控える事例もあることから、市の情報発信の方法と今後の取組みを伺います。

 

【登壇3回目】

是非、わかりやすく、情報発信を多くしてほしいと思います。

ワクチンの接種が進めば進むほど、接種を希望しない人に対し、有形無形の圧力が高まることが懸念されます。自治体には「推奨」する義務があるのと同時に、「推奨」に従わない人の、人権に対して十分に配慮することが求められます。職場や周りの人などに接種を強制したり、接種を受けていない人に差別的な扱いをすることのないように注意喚起を行わなければなりません。国民自らの意思で決定していただくことが重要であり、ワクチンを打っていないことによって差別やいじめを受けることがあってわなりません。

本市においても、ワクチン未接種者に対して、差別や偏見につながらないような取組を要望いたします。

とにかく今、みんなが不安を抱えています。その不安が差別に繋がってしまいます。

特に、陽性者や濃厚接触者などは、不安な気持ちを抱えていると拝察いたしますが、実際にそのような方からは、どこか相談できる専門窓口があればいいのにという声を多くいただいています。専門相談窓口があるのに知らない人がいます。陽性者や濃厚接触者などへ、誹謗中傷に限らず、各窓口への案内改善が必要と言えます。

そこで、新型コロナウイルス感染症に関連した差別や誹謗中傷について、市には何件相談があるのでしょうか。

また、新型コロナウイルス感染症陽性者や濃厚接触者の生活実態を把握する必要があると思いますがいかがでしょうか。

 

【登壇4回目】

令和3年度の差別や誹謗中傷等に関する相談は、3件とご答弁をいただきました。世界中でコロナが蔓延していて、松本でも差別で悩んでいる人が大勢いるのに、市には3件しかそういった声が届いていない。あまりにも実態と乖離していて、ここが一番の問題点と言えます。市民に一番近い松本市として、何ができるのか。もっと「差別や誹謗中傷はありませんか」と、苦しんでいる人に積極的に歩み寄ることはできないでしょうか。受け身ではなく、もっと発信してほしいです。

そして、市として松本市で実際に起こっている差別や誹謗中傷がどんなものなのか把握しないと、実態に即した具体的な対策に繋げられません。そのようなことから、私は、市民に一番近い市として、コロナに関わる誹謗中傷の専門窓口を設置すべきと考えます。

また、総務省の、令和2年度 インターネット上の違法・有害情報対応 相談業務等請負業務 報告書によると「令和2年度の相談件数は、 平成22年度の約4倍に増加している」とあります。

ネット上での差別や誹謗中傷等も時代とともに加速度的に増えていることから、実態を把握するための調査や、被害者に寄り添えるようなネット上での誹謗中傷などの専門相談窓口も必要と考えます。

そこで、新型コロナウイルス感染症及びインターネット上での誹謗中傷についての専門相談窓口を設置すべきと考えますが、市の見解を伺います。

また、実態把握のために、今年度実施する、男女共同参画・人権に関する意識調査の中で、インターネット上での誹謗中傷等についての項目を加えることができないか伺います。

 

【登壇5回目】

現在ある相談窓口の案内をするということでしたが、市民の声としては、そもそも窓口を知らない、知ってたとしても感染については隠したい、相談しても解決策にならないと思ってしまう、そのような声がありますので、対応をお願いいたします。

さて、松本市教育委員会は先月、市内の市立学校でコロナに感染した児童・生徒と職員の氏名などの情報を、同校の全ての保護者世帯に誤ってメールで送信してしまったと報道がありました。

ちなみに愛知県でも感染者情報の流出事故がありましたが、愛知県は感染者に賠償金を払うことになりました。

感染者情報は、要配慮個人情報です。デジタルタトゥーという言葉がありますが、ネットやSNSの発達により、一度その情報がネットに流出すると取り返しがつきません。自治体職員は、そのことを肝に銘じつつ、個人情報の保護と公衆衛生上の必要性という難しいバランスをとり、かつ、感染の拡大機や終息期といった状況の変化も踏まえ、個人情報の収集・公表・提供の可否を判断しなければなりません。

このような背景もあり、時代と共に増えている、ネット上での差別や誹謗中傷等の記事を発見・チェックするため職員によるネットパトロールを行うことはできないでしょうか。職員では限界があるということであれば、AIを活用したネット上の投稿などをモニタリングするという取組も始まっています。これであれば、人員を割くことなく、多くの投稿をチェックできるほか、被害者に対する迅速な救済や人権侵害の抑止を図ることもできることから、早期導入を求めます。

また、ネット上にはLINEのような閉ざされた世界もあることから、市民などから情報をお寄せいただく、通報システムの導入も効果的と考えます。

そこで、ネットパトロールやAIモニタリング、通報システムの導入について伺います。

あわせて、インターネット上での差別や誹謗中傷を受けた被害者に対するネット記事の削除方法、弁護士・法律相談の案内等の支援をどのように行っていくかを伺います。

 

【登壇6回目】

ご答弁をいただきました。

法務省の、令和2年における「人権侵犯事件」の状況によると「ネット上の人権侵害情報について、削除要請をした件数は過去最高」とあります。

これまで主に、被害者の視点に立った支援を求めてきましたが、それだけではなく、被害者をうまないための取り組みこそ必要です。

例えば、ネット上での誹謗中傷を、リツイートしただけでも、慰謝料請求につながる可能性があるということや、「批判意見」と「誹謗中傷」は違うということなど、もっと周知啓発していかなければなりません。

ネットやICT端末は、安全に正しく使うことができればとても役立つ便利なものです。 しかしながら、事件や犯罪に巻き込まれるきっかけになったり、誹謗中傷や差別の温床になるなど、残念な事実もあります。また、誰もが被害を受けるだけではなく、加害者になってしまうケースも生じています。

むしろ近年は、大人が加害者で、子どもが被害者になっている事件があまりにも多いです。私はこれまで、学校教育の分野で具体的な対応策を提言をしてきましたが、もはやこれは子供だけの問題ではなく、これからのデジタル社会を生きていく市民みんなが被害者・加害者にならないためにも、インターネットリテラシーの取組が必要です。むしろ家庭であれば親よりも、学校であれば先生よりも、子供たちの方がよっぽどICTの使い方に長けています。大人こそインターネットリテラシーの向上が必要で、子供に正しい使い方を示していかなければなりません。

コロナ禍もあって世の中はデジタル化へ移行していますが、負の部分への対策も求められます。

そこで、子どもに対するメディアリテラシーは、講座等の開催により進み始めていますが、市民の年齢や立場等に応じたインターネットリテラシーに対する情報提供や施策が必要であると考えますが、市の見解を伺います。

 

【登壇7回目】

副市長から非常にわかりやすいご答弁をいただきました。是非スピード感を持って拡充をお願いいたします。

さて、これまで差別や誹謗中傷などに対する対応策について議論してきました。インターネットへの投稿も、心の傷も、一生消えません。最悪の場合、自殺や失業・倒産に繋がってしまいます。

論点は、差別のない社会の実現のため、今すぐに、市民に一番近い松本市として、何ができるかということです。差別が起きないようにするにはどうすべきか。

現在松本市には、平成11年に施行された「松本市部落差別をはじめとするあらゆる差別撤廃と人権擁護に関する条例」があります。

しかしながら、本市において、現在多くのコロナに関する差別が起こり、苦しんでいる人がいます。

施行から22年も経ち、平成11年には考えられなかった、ネット上での差別や誹謗中傷・いじめも起こり、加速度的に増えています。全国ではネット上での誹謗中傷やいじめ等により自殺者が発生してしまっている危機的状況であり、今後はもっと深刻化する事も予想されます。なんとしても松本ではそのようなことがあってはなりません。

そこで、新しい条例の制定や、今ある条例の改正、もしくは宣言などを通じて、この松本市では何があっても絶対に許さないと改めて意思表示をし、教育・啓発を進めるべきだと考えます。全部が全部防げるわけではないと思いますが、起きた後も、しっかりと市民に寄り添って支援をして、お困りの方は救済をするんだということを、明確にするためにも条例化する必要があると考えます。

全国ではすでに条例化している自治体もあります。罰則で担保はされてはいませんが、禁じられるべき行為規範を、条例で明確化する意義はあると考えます。

私は、日本中で差別やいじめなどで苦しんでいる人に、「松本に来てくれ」と、松本は多様な生き方を尊重する差別のない街なんだと示し、選ばれる。弱い立場の人も、みんなが安心して暮らせる。そんな松本をつくりたいです。いま、コロナ禍で、国難です。有事において、市民に一番近い市が、まずやれることは全てやることが必要だと思います。

そこで最後に、新型コロナウイルス感染症による差別等を禁止する条例、及び、インターネット上での誹謗中傷等を禁止する条例を制定する考えはないか、市長の見解をお尋ねし、以上で、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。