Diary

01November2020

【子供達が危ない】ICTの光と影!AIドリルを提言!GIGAスクール構想の推進について

~令和2年9月定例会~
[質問の件名と要旨]
1 学校教育の充実について
 (1)GIGAスクール構想の推進について

◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕
 会派、開明の今井ゆうすけです。
 初めに、学校教育の充実について質問いたします。
 本市では、本年度中に児童生徒1人につき1台の学習用端末をそろえる方針で、来年度には実際に利用できるようになります。本市で行っている調査によりますと、小学1、2年生は不明ですが、小学3年生、85%、中学3年生、50%が自分のスマートフォンを持っていません。この児童生徒たちが自分の端末を持つことになり、これまで以上にネットトラブルの増加が予想されます。また、GIGAスクール構想により学校ICT環境は飛躍的に進展していきますが、新しい環境下でどのような教育を展開していくのかが重要です。端末はあくまでもツールであり、端末をどのように使っていくのか、何のために、目的は何か、それをはっきりさせる必要があります。
 そこで、初めに3点お尋ねいたします。
 1点目、新しい環境では、動画配信や遠隔授業が可能になりますが、松本市で実現したい教育の姿はどのようなものか。
 2点目、児童生徒1人1台端末の具体的な活用方法。
 3点目、1人1台端末の環境下ではネットトラブルが予想されますが、教育委員会での基本的な対応についてお尋ねいたします。
P.200 議長(村上幸雄)
○議長(村上幸雄) 赤羽教育長。
P.201 教育長(赤羽郁夫)
◎教育長(赤羽郁夫) 今井議員のGIGAスクール構想に関する3点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、GIGAスクール構想により松本市で実現したい教育の姿についてお答えをいたします。
 松本市では、松本市学校教育情報化推進計画に基づき「たくましく未来を拓く心豊かな松本の子」の育成を目指し、教育の情報化を進めております。GIGAスクール構想への取組においても、この基本的な考え方の下で必要な場面を見極めながら動画の配信や遠隔授業も取り入れるなどの中、主体的・対話的で深い学び、個別最適化された学びの実現に向けて取り組んでまいります。
 私は、かねてから明治以来の日本の教育の大きな課題は、集団主義と教え主義であると考え、この2点を変えていくことが必要だと校長会等の機会に訴えてまいりました。まさにGIGAスクール構想による教育の個別化などに向けた条件整備は、集団主義と教え主義から大きく学びの質の転換を図る、またとないチャンスであると考え、その実現を目指していきたいと考えております。
 次に、児童生徒1人1台端末の活用方法についてお答えをいたします。
 松本市では、現在、大きく2つの学習における1人1台端末の活用を検討しております。1つ目は、主体的・対話的で深い学びを実現するための探求的な学習における活用であり、具体的には学級全体で個々の回答や写真などを共有して学びを深め合うことや、校外における個別の学習の充実、さらには離れた学校の児童生徒との交流学習などに1人1台端末を活用して、自ら学び、自ら考える力を育ててまいります。2つ目は、個別最適化された学びにおける活用であり、具体的には個々の進度に対応したドリル学習や動画教材などの活用により、個々の学習状況に合った学びを充実させるほか、不登校児童生徒の学習機会を確保するため、1人1台端末を活用し、児童生徒一人一人の背景や状況に応じた教育を進めてまいります。
 いずれにいたしましても、先ほど今井議員のご発言のとおり、1人1台端末は新しい教育方法における主要なツールでありますので、学校と情報共有をしながら有効活用できるように運用を進めてまいります。
 最後に、ネットトラブルへの基本的な対応についてお答えをいたします。
 議員ご指摘のとおり、ICT環境の推進によりインターネットがより身近になる一方、ネットトラブルは増加しており、かつ複雑化、多様化している状況であります。このような状況の中、児童生徒の情報リテラシー能力の育成が喫緊の課題でありまして、技術の理解とともに心の教育、その双方が重要であると考えております。併せて、保護者や教職員といった周囲の大人がインターネットの特性と危険性を十分に理解することも必要であると考えています。
 今後は、昨年4月に県内の教員や小児科医を中心として、子供の成長発達に対するスマートフォンなどの電子メディアの影響を学び、適切な付き合い方の啓発を目的に設立いたしました有志の団体であります子どもとメディア信州の取組、そしてこども部で実施しておりますメディアリテラシー講座との連携を一層深めながら、学校現場でのネットモラル教育や教職員研修などのさらなる充実を図ってまいります。
 また、学校が必要に応じて外部機関と連携を図り、状況に応じたきめ細かな対応が取れますよう、教育委員会としましても、学校と情報共有しながら適切な支援を行っていきたいと考えております。
 以上であります。
P.202 議長(村上幸雄)
○議長(村上幸雄) 今井議員。
P.202 15番(今井ゆうすけ)
◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕
 それぞれご答弁いただきました。
 端末の活用方法の一例としては、他校の児童生徒との交流を行うということでした。ネットを通じて世界中どこにいても場所を選ばず交流ができる、すばらしい時代になった一方で、その負の部分もしっかりと伝えていかなければなりません。今月5日、横浜市の小学生の女児を誘拐したとして容疑者が現行犯逮捕されました。容疑者は、オンラインゲームで知り合った、また、女児を車で連れ去る際には、両手首、両足首を粘着テープで拘束したという趣旨の供述をしているといいます。女児は携帯電話を持っておらず、自宅で父親の端末を使ってオンラインゲームをしていたと言います。このようなネット上で連絡を取りながら、複数のプレイヤーが同時に遊ぶオンラインゲームを通じ、児童らが事件に巻き込まれるケースは近年相次いでいます。内閣府の調査によると、小学生の86%がネットを利用し、総務省の去年の調査では、ネットの利用目的として13歳から19歳の6割近くがオンラインゲームを挙げています。しかしながら、オンラインゲームはほんの一部でありまして、2017年には神奈川県座間市のアパートで男女9人の遺体が見つかりました。ツイッターに投稿した少女らを自宅に誘い出し、殺害したなどとされております。
 論点は、本市においてネットトラブルの実態を把握できていない現状があるということです。なりすまし投稿、両眼視機能の異常、不正ログイン、デジタルタトゥー、課金の増加など、次から次へと起こっております。それらをしっかりと把握した中で、危険度、優先順位づけをして対策を講じる必要があります。例えば本市の調査では、ゲーム機でネット接続する人が小学生では、携帯電話等を差し置いてトップという結果が出ており、先ほどと同じ事件が起こる可能性が高いです。一方で、現在行っている調査では、事件を未然に防ぐために実態把握すべき項目がありません。東京都の調査によると、小学校低学年で、子供がSNSなどで知らない人とやり取りをしたことがあると答えた割合は、保護者回答で30.3%もいると回答しておりますが、本市では不明です。ネットトラブルの対策には、端末にフィルタリング機能をつけることも考えられますが、本市では家庭用端末でのフィルタリング設定率も不明です。
 私は、平成28年度、本市として行っているいじめの実態調査にネットによるいじめの具体的な媒体を特定するための項目をと提案し、追加していただきました。しかしながら、時代変化が激しく、それ以外のネットトラブルも膨大に発生しており、現状の調査はあくまでもいじめと体罰に特化したもののため、ネットトラブルの実態を把握しにくい現状があります。このようにネットトラブルが悲劇に至った事例もあり、ICTの影の部分も直視し、GIGAスクール環境下での子供の安全・安心を確保しなければならない、このような観点から2点お伺いをいたします。
 1点目、今年度新たに作成したネットトラブル防止に関する教材の公開は可能か。
 2点目、ネットトラブルに関し、児童生徒、保護者、教職員への追加の実態調査が必要と考えますが、見解をお尋ねいたします。
P.203 議長(村上幸雄)
○議長(村上幸雄) 横内教育部長。
P.203 教育部長(横内俊哉)
◎教育部長(横内俊哉) 今井議員のネットトラブルに関する2点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、ネットトラブル防止に関する教材の公開についてお答えをいたします。
 今年度新たに、子供自身がICT機器の扱い方のマナーや注意点を考えることができる教材を作成し、各学校の授業で活用をしております。教材に関しましては、育成会や子育て世代の方など、子供の健全育成に関わる皆様にも活用していただけるよう、松本市ホームページに公開することとしています。併せて、広報紙に特集記事として取り扱うなど、より多くの皆様の目に止まるような取組を進めてまいります。
 次に、実態調査についてのご質問にお答えをいたします。
 各学校では、児童生徒を対象にアンケート調査や面談を随時行っています。アンケート調査に関しましては、今井議員からのご提案もあり、令和元年度から自由記述欄を設けました。その結果、いじめ・体罰だけでなく、虐待など様々な実態を把握することが可能となりました。そして、アンケート調査や面談の内容、教職員、保護者からの情報を基に、必要な指導・支援を行い、2か月ごといじめ・体罰等実態調査に取りまとめ、校長会、教頭会で周知をしています。児童生徒の言葉だけではなく、教職員、保護者など周りで支えている人からの情報が、児童生徒のSOSのサインや変化の発見のきっかけになっています。
 また、警察庁が発表した2019年の犯罪情勢によりますと、子供のSNSの被害が過去最多の2,095人となっています。そこで、1人1台端末が整備される前に、既に導入されている保護者用学校メール網を通じ、定期的に直接保護者に心配の有無を聞く取組を前倒しをして行っていきます。そして、顕在化しにくいネットトラブルを早期に発見し、迅速に対応してまいります。
 先ほど今井議員から何点かご提案、ご要望をいただきましたことにつきましては、改めて今後の参考とさせていただきます。
 以上でございます。
P.204 議長(村上幸雄)
○議長(村上幸雄) 今井議員。
P.204 15番(今井ゆうすけ)
◆15番(今井ゆうすけ) 〔登壇〕
 それぞれご答弁をいただきました。
 海外では、情報モラルのことをネットセーフティー、安全についての学習と言います。本市では来年度から小学1年生から端末を持つようになりますが、ネットにより犯罪に巻き込まれることもあれば、ちょっとしたことが法律に触れ、犯罪者になってしまうこともあります。しっかりと情報モラル教育を行っていかなければなりません。一番の問題点は、情報モラル教育の人員不足であり、問題への対策が十分ではないことです。ICT支援員の配置は、国が示す基準に当てはめますと、本市は11人となるところを現在は1人だけという状況であります。本市の昨年度実績では、児童生徒に情報モラル教育ができなかった学校は、全小・中学校48校中35校もあり、本市の児童生徒の合計は1万8,426人をICT支援員1人ではとても対応できません。もともとそのような課題を抱えているところにGIGAスクール構想が重なり、新たに機械トラブルへの対応やICTを活用した授業の立案など、様々な課題を抱えています。それらを解決しICTを推進していくためには、ICT教育の専門部署、専門人材の配置が必要と言えます。
 市長は、DXを推進していくとおっしゃっておりましたが、教育こそDX推進が求められます。GIGAスクール構想が全国の自治体で一斉に始まりましたが、どこの自治体でも同じ課題があると言えます。既に他市では教育DXを取り入れているところもございまして、今後、大きく差が開くと予想されます。逆にこれはチャンスでありまして、学都松本として日本一の教育を目指す、そのためには専門部署や専門人材の配置が必要不可欠です。これからの子供たちにとってVR、AI、5G等の新技術はより身近なものになっていきますので、情報モラル教育の充実に併せて積極的に最新の技術を活用することで、先ほど答弁にございました松本市で実現したい教育の姿を実現できると考えます。
 例えば、本市ではドリル学習を行うと先ほどご答弁いただきましたが、ここへAI型のドリル学習教材の導入を提言します。ドリル学習では、個々の学習履歴が自動的に記録されますが、その学習結果や傾向をAIが自動で分析をして、個々の習熟度や状況に応じた問題を出題、自動採点します。その子に合わせた効率的な知識、技能の学習が可能となります。興味や関心を引きやすく、学びに向かう姿勢が弱い児童生徒に対し、勉強するためのきっかけづくりとしての効果も見込めます。出題や採点等の自動化によって教師の負担軽減につながり、その分の時間を児童生徒への指導に充てることが可能です。
 ほかにもVR、AR、ドローン、360度カメラ等、最新技術の活用も有効と考えます。これまでは黒板や教科書を見ながら行っていた授業が、VR等により授業で扱う舞台へタイムスリップをして、時と場所を越え、その景色を感じながら学ぶ授業に変えることができます。また、今回の端末は5G対応の機種ではありませんが、次回更新時には5Gを活用した教育の実現も視野に入れ、5G対応端末の導入を求めます。
 このようにICTには光と影の部分があり、両者への対応がGIGAスクール構想の推進、すなわちICT教育の推進に不可欠です。GIGAスクール環境下において、今後、業務量、経費共に大幅な増大が予想される中、教職員の負担軽減やさらに新しい技術への対応も必要になってきます。
 そこで3点お伺いいたします。
 1点目、ICT教育の専門部署、専門人材の配置について。
 2点目、ICTを活用した教員の負担軽減について。
 3点目、VRやAI、5G等の最新の技術を活用した教育を実施すべきと考えますが、見解をお尋ねいたします。
P.205 議長(村上幸雄)
○議長(村上幸雄) 横内教育部長。
P.205 教育部長(横内俊哉)
◎教育部長(横内俊哉) それでは、今井議員の3回目のご質問に順を追ってお答えをいたします。
 初めに、ICT教育の専門部署、専門人材の配置についてでございます。
 ICT教育の推進は、従来、ハード整備が重視され、利活用方法の確立、教員のスキルアップといったソフト面での支援が十分でなかったものと捉えております。そのことが、学校現場においてICTを活用した授業が広く浸透せず、本市のICT教育の遅れにつながった一因でもあると考えております。現下のGIGAスクール構想の推進により、ハード環境は飛躍的に進展をします。本市が目指す学校ICT環境の姿は、児童生徒、教職員が安全・安心に、かつ快適にICT機器を活用でき、先ほど教育長が申し上げました主体的・対話的で深い学びや個別最適化された学びを実現することであります。そのためにも、ICT教育の遅れを取り戻し、この姿を形あるものにしていくことを全庁的に共有をし、ICT教育の推進体制を早急に整える必要があると考えています。
 議員ご指摘のとおり、専門部署の設置、専門人材の配置は必要不可欠であり、まずは教育委員会へのICT推進チームの設置、現在のICT支援員制度のさらなる充実について庁内調整を進め、議会にご相談しながら取組を進めてまいります。
 次に、ICTを活用した教員の負担軽減についてでございます。
 教員の業務は授業と校務に大別をされ、通知表や指導要録などの校務に多くの時間が費やされている現状があります。そのため特に校務の負担軽減を図るために、来年4月から統合型校務支援システムを全校に導入することにします。このシステムの導入により、これまで表計算ソフトなどで個別に作成をしてきた通知表、指導要録などについて、事前に登録された学籍情報やシステム内で処理された成績などを一括でひもづけできるようになり、重複した事務作業が軽減されることとなります。また、グループウエア機能の活用により、教員同士の円滑な情報共有が可能となり、会議時間の短縮にもつながってまいります。その結果、校務に関わる時間が大幅に削減でき、授業以外でも子供たちに直接向き合う時間の充実につながり、児童生徒へのよりきめ細やかな対応を行うことができることとなります。
 最後に、最新技術を活用した今後の教育についてお答えをいたします。
 昨今の高度情報化社会における技術の進展は一段と加速度を増し、社会や生活を大きく変えていく超スマート社会の到来が予想されています。こうした社会情勢の中を生きていく子供たちにとって、議員ご指摘のVR(バーチャル・リアリティー)やAI(人工知能)、5G(第5世代移動通信システム)をはじめとする新技術が、今後より身近なものになっていくことも予想されます。したがいまして、子供たちが新技術に親しみ、DX(デジタルトランスフォーメーション)と言われるような新しい時代を生き抜く力を培っていくためにも、今後の学校教育現場での新技術の効果的な活用を視野に入れ、今井議員からもご提案のあったAIドリルなどの先進事例や教員の意見を参考に、まずはモデル校などでの実証実験に取り組んでまいります。
 以上でございます。